フルリフォームの内訳は?工事費と諸経費の内訳・見積書の見方をまとめて解説

「フルリフォームの見積もりをもらったけれど、内訳の意味がよく分からない」という声をよくいただきます。総額の目安はフルリフォームの費用相場、フルリフォームはいくらかかる?のページで解説しているため、このページでは「その金額が何によって構成されているか」という内訳そのものに焦点を当て、工事項目ごとの内訳・諸経費の内訳・見積書の内訳の見方まで整理してご案内します。埼玉県・東京都で施工実績を持つ一級建築士事務所「匠プラス」がわかりやすく解説します。
私たち、匠プラスについて
- 匠プラスは、1968年創立の株式会社市之瀬工務店が運営するフルリフォーム専門店です。
- 一級建築士事務所として、間取り変更・耐震・断熱まで住まい全体を見てご提案します。
- 自社大工と信頼できる協力業者が連携し、細部まで丁寧に仕上げます。
- 木造住宅耐震診断士が在籍しており、古い住宅の耐震面も含めて相談できます。
- 埼玉県・東京都内で幅広く対応可能です。
結論:フルリフォームの内訳は「工事費」と「諸経費」に分かれる

フルリフォームの内訳は、大きく分けると建物そのものを工事する「工事費」と、工事以外にかかる「諸経費」の2つで構成されています。工事費はさらに解体工事・木工事・内装工事・水回り設備工事・電気工事・外装工事・断熱や耐震補強などの性能向上工事といった工種(工事項目)ごとの内訳に細分化され、諸経費には設計料や確認申請費用、現場管理費、仮住まいや引っ越しの費用、消費税などが含まれます。目安としては、総額のうち工事費が8〜9割前後、諸経費が1〜2割前後を占めることが多いものの、建物の規模や工事範囲、依頼する業者によって内訳の構成比は変わります。なお、フルリフォームは「リノベーション」とほぼ同じ意味で使われることもあります。まずはこの「工事費」と「諸経費」という大きな内訳の枠組みを押さえたうえで、それぞれの中身を順番に見ていきましょう。
工事費の内訳:工事項目(工種)ごとに見る

工事費の内訳は、実際にどの職種の工事にいくらかかっているかという「工種」の単位で分けると分かりやすくなります。ここではフルリフォームの見積書によく登場する工種ごとの内訳と、おおよその金額の目安を紹介します。金額はあくまで目安で、単価や平米単価は建物の規模や劣化状況、選ぶグレードによって変動します。
仮設工事・解体工事の内訳
仮設工事は、足場の設置や養生、仮設トイレ・仮設電気の準備など、工事を安全に進めるための下準備にかかる費用で、15万円〜40万円程度が目安です。解体工事は、既存の内装や設備、間仕切り壁を撤去する費用で、一戸建てでは50万円〜150万円程度、マンションでは30万円〜80万円程度が目安になり、撤去した廃材の処分費用もこの内訳に含まれます。スケルトンリフォームのように基礎・構造以外をすべて作り直す規模の大きな工事ほど、解体してみないと分からない構造の状態によって内訳の金額が変わることもあり、既存の建物をどこまで残すかによってこの内訳の割合や工期は大きく変わります。
木工事・基礎工事など構造にかかわる工事の内訳
木工事は、柱や梁、床組みといった構造体の補強・造作にかかる費用で、100万円〜300万円程度が目安です。間取り変更を伴う場合は間仕切り壁の新設・撤去もこの内訳に含まれます。既存の基礎をそのまま活かせるかどうか、耐力壁の位置を変更するかどうかによっても木工事の内訳は変動し、旧耐震基準の建物では耐震補強のための構造補強工事が別途必要になるケースもあります。造作収納や造作家具を新たに設ける場合も、この木工事の内訳に含まれることが一般的です。
内装工事(クロス・床・建具・間取り変更)の内訳
内装工事の内訳には、クロスやフローリングを張り替える費用、建具(ドアや収納の扉)の交換、和室から洋室へ変更する際の畳の撤去費用などが含まれ、1部屋あたり数万円〜15万円程度から、リビング・ダイニング・寝室・天井や廊下まで内装を一新すると60万円〜200万円程度が目安になります。使用する床材やクロスの素材によっても内訳は変わり、タイルや珪藻土などの自然素材を選ぶ場合は、一般的なビニールクロスより費用が上がる傾向があります。たとえば3LDKから2LDKへ間仕切りを減らして開放的な空間へ変更するような大掛かりな間取り変更になると、内装工事の内訳は大幅に増える傾向があります。
水回り設備工事(キッチン・浴室・トイレ・洗面)の内訳
水回り設備工事の内訳は、キッチンをシステムキッチンへ交換する費用が50万円〜150万円程度、お風呂(浴室)をユニットバス(システムバス)へ入れ替える費用が80万円〜200万円程度、トイレの交換が15万円〜40万円程度、洗面室・洗面台の交換が10万円〜30万円程度が目安です。設備の位置を大きく移動する場合は、給排水管など配管設備の移設工事が追加され、この内訳が膨らみやすい点にも注意が必要です。設備のグレードによっても内訳は大きく変わり、既製品でコンパクトにまとめるか、対面式キッチンや飾り棚などこだわりの設備を選ぶかで総額の見え方が変わります。
電気工事の内訳
電気工事の内訳には、コンセントやスイッチの増設・移設、照明器具や間接照明の設置、配線の引き直しなどが含まれ、20万円〜60万円程度が目安です。間取り変更を伴う工事では、部屋の配置に合わせて電気配線を全面的に引き直す必要があり、その分この内訳も大きくなります。防音・遮音性能を高める仕様や、最新の省エネ設備を導入する場合も、電気工事の内訳に影響することがあります。
外装工事(外壁・屋根)の内訳
外装工事の内訳は、外壁を塗り替える費用が60万円〜150万円程度、屋根の塗装・葺き替えが60万円〜200万円程度が中心で、外壁や屋根の修繕が必要な状態かどうかでも内訳は変わります。既存の外壁材を撤去せずに新しい外壁材を重ねて張るカバー工法を選べば、解体・撤去にかかる内訳を抑えられる場合がありますが、下地の劣化状況によっては補修費用が別途必要になることもあります。外壁・屋根の工事には足場の設置が必要なため、仮設工事の内訳とあわせて計画すると効率的です。木造か鉄骨・コンクリート造かによっても、外装工事の工法や内訳の考え方は変わります。
断熱・耐震などの性能向上工事の内訳
断熱改修は、窓の交換や二重窓(内窓)の設置費用、断熱材の追加などが内訳に含まれ、40万円〜100万円台まで範囲によって金額の幅があります。耐震補強は建物の構造や在来工法か木造軸組工法かといった工法によって内訳の差が大きく、数十万円〜200万円以上と幅があり、旧耐震基準の建物ほどこの内訳が大きくなる傾向があります。バリアフリー化のための手すりの設置費用や段差解消も、この性能向上工事の内訳に含まれることが一般的で、遮音性能・防水性を高める仕様も同様です。断熱・耐震・バリアフリーの工事は、後述する補助金や減税制度の対象になりやすい点も押さえておきたいポイントです。
建物タイプ別に見る内訳の違い(一戸建て・マンション・中古住宅)

フルリフォームの内訳は、一戸建てかマンションか、また新築や建て替えではなく中古住宅・中古マンションを活かす工事かによっても変わります。一戸建ての場合は、基礎や外壁、屋根、サッシ、玄関まで自由に手を加えられる分、外装工事や耐震補強の内訳が加わりやすく、延床面積や坪数が大きい物件ほど内訳全体の金額も上がる傾向があります。一戸建て全体では800万円〜2500万円程度、マンションでは500万円〜1500万円程度が内訳の合計としての目安になることもあります。マンションの場合は、キッチンや浴室、間仕切り壁など専有部分の内訳が中心になり、サッシや配管の縦管、玄関ドアなど共用部分にかかわる工事は管理規約により制約されるため、事前に管理組合への申請が必要になる点も内訳を考えるうえで押さえておきたいポイントです。中古住宅や中古マンションを購入してからフルリフォームする場合は、購入費用とは別に内訳を組む必要がありますが、既存の建物を取り壊す建て替えや、新築で家を建てる場合と比べて、既存の構造体を活かせる分、内訳全体を抑えやすいという違いもあります。持ち家として長く暮らす前提であれば、立地や物件の状態も踏まえて内訳の優先順位を検討するとよいでしょう。戸建てでは建ぺい率や容積率の制限内であれば増築を伴う内訳も選択肢に入りますが、再建築不可物件では増築ができないため、既存の躯体を活かす内訳で対応することになります。契約書には工事範囲と内訳を明記してもらい、住戸ごとに事情が異なるマンションでは特に、管理規約への該当有無を事前に確認しておくと安心です。
諸経費の内訳:工事費以外にかかるお金

見積書には、工事費以外にも「諸経費」として計上される項目があります。総額の内訳を正しく理解するには、この諸経費の中身も押さえておく必要があります。
設計料・確認申請費用
間取り変更や増築を伴う規模の大きなフルリフォームでは、設計図面の作成にかかる設計料や、建築基準法にもとづく建築確認申請が必要な工事の場合は申請手続きにかかる費用が諸経費の内訳に含まれます。設計から施工まで一貫して対応する業者に依頼する場合、この内訳が工事費に含まれていることもあれば、別立てで計上されることもあるため、見積もりの段階で確認しておくと安心です。
現場管理費
現場管理費は、工事全体の進行管理や職人の手配、近隣への挨拶対応など、現場を円滑に進めるためにかかる諸経費です。一般的に工事費総額に対して一定の割合で計上されることが多く、規模の大きな工事ほど管理の手間も増えるため、この内訳もあわせて大きくなる傾向があります。
仮住まい費・引っ越し費用
工事範囲が広く住みながらの工事が難しい場合は、仮住まいの家賃や引っ越し費用も諸経費の内訳に加わります。賃貸物件を借りる場合、家賃相当額に加えて敷金・礼金などの初期費用もかかり、仮住まいへの引っ越しと工事完了後に自宅へ戻る引っ越しの、往復2回分の費用がかかる点も見落としやすいポイントです。お金の準備方法や制度についてはフルリフォームのお金のページで詳しく解説しています。
ローンを利用する場合にかかる諸経費
リフォームローンや住宅ローンを利用して工事費を借り入れる場合は、金利負担に加えて、事務手数料や保証料、登記費用なども諸経費の内訳に加わります。無担保型のリフォームローンは審査が比較的シンプルな一方で借入の上限が低めに設定されていることが多く、フラット35のような住宅ローンを使うと返済期間を長く設定できる分、審査に一定の時間がかかる点も踏まえておく必要があります。住宅ローン減税の対象になり所得税の控除を受けられる場合もあるため、利用できる制度は事前に金融機関や税理士に確認しておくと安心です。
消費税・その他税金
工事費・諸経費の合計額に対して消費税がかかる点も、内訳を考えるうえで見落としやすいポイントです。また、増築を伴う大規模なフルリフォームでは、床面積の増加によって固定資産税の評価額が見直される場合があります。税金にかかわる内訳の詳細は制度や年度によって変わることもあるため、詳しくは税理士や自治体の窓口にご確認ください。
予算帯別に見る内訳のイメージ

同じフルリフォームでも、予算帯によって内訳の中身は変わります。100万円台〜300万円程度の予算であれば、水まわりや内装の一部など見た目を中心にした表層リフォームが中心になり、工期もおおむね1ヶ月前後と短めです。500万円前後の予算であれば、水回り設備工事と内装工事の内訳が大部分を占め、外装や耐震補強まで手を広げるのは難しいケースが多くなります。800万円〜1000万円前後になると、水回り・内装に加えて外壁・屋根などの外装工事や、部分的な耐震補強・断熱改修まで内訳に組み込みやすくなり、工期も2〜3ヶ月程度が目安です。基礎・構造以外をすべて作り直すスケルトンリフォームのように1500万円〜2500万円を超える予算になると、木工事・電気工事・配管設備工事といった構造にかかわる内訳の比重が大きくなり、工期も3〜4ヶ月程度と長くなる一方、間取りの自由度も上がります。ご自身の建物でどのような内訳になりそうかは、図面や延床面積、築年数が分かれば概算のご案内も可能です。
見積書の内訳の見方・チェックポイント

見積書を受け取ったら、総額だけでなく内訳の中身まで具体的に確認することが、契約後のトラブルを防ぐポイントです。特に注意したいのが「一式」という表記です。「内装工事一式」のように内訳が「一式」とまとめられている場合、その中にどこまでの工事が含まれているかが見積書だけでは分かりにくいことがあり、業者によって同じ「一式」でも範囲が異なることがあります。気になる項目があれば、内訳を細かく分けて説明してもらうよう依頼するとよいでしょう。また、解体してみないと分からない構造や配管の劣化によって、契約時の見積もりに含まれていなかった追加費用が発生することもあります。追加費用が発生しやすい項目や、発生した場合の連絡・承認の流れについては、フルリフォームの料金のページで支払いのタイミングとあわせて詳しく解説しています。内訳を細かく開示してくれる業者ほど、料金体系そのものが明瞭である傾向があり、実例として過去の施工事例の内訳を見せてもらうと、金額のイメージがつかみやすくなります。
内訳を踏まえて費用を抑える工夫

内訳の中身が分かると、費用を抑える工夫もしやすくなります。たとえば、構造にかかわる木工事や解体工事の内訳は建物の状態次第で変動しやすいため、既存の基礎や柱・梁をできるだけ活かせる工法を選ぶと、内訳全体を抑えやすくなります。設備のグレードを見直す、内装の建材をシンプルなものに絞るなど、内訳の中で優先順位の低い項目のグレードを調整することも、満足度を保ちながら費用を抑える工夫です。また、断熱・耐震・バリアフリーなど性能向上工事の内訳は、国や自治体の補助金、住宅ローン減税をはじめとした税金の控除の対象になる場合があります。制度の内容や対象条件、補助額の上限は年度によって変更されることもあるため、最新の内容は国土交通省や自治体の窓口、税理士など専門家にご確認ください。内訳を把握しておくことは、限られた予算の中で理想の暮らしをかなえるための第一歩です。メリット・デメリットを比較し、譲れない部分と譲れる部分を早めに整理しておけば、無理のない資金計画で希望の内訳に近づけやすくなります。工事期間中の生活動線への配慮や、近隣への騒音対策まで含めて確認しておくと、想定外のトラブルを避けやすくなります。古い建物ほど、解体して初めて分かる不具合が見つかることもあるため、予備費を確保しておくと安心です。
フルリフォームの内訳に関するよくある質問

Q. 内訳の中で一番金額が大きくなりやすい項目は?
工事範囲にもよりますが、キッチン・浴室・トイレ・洗面などの水回り設備工事と、クロスや床材の張り替えを含む内装工事の内訳が大きな割合を占めるケースが多く見られます。間取り変更を伴う場合は、木工事や電気工事、配管設備工事の内訳も膨らみやすくなります。
Q. 見積書に「一式」と書かれている内訳は問題ない?
「一式」という表記自体が問題というわけではありませんが、その内訳にどこまでの工事範囲が含まれているかが見積書だけでは分かりにくいことがあります。金額の大きい項目については、内訳を細かく分けて説明してもらうことをおすすめします。
Q. 内訳を工種ごとに詳しく出してもらうことはできる?
多くの業者では、依頼すれば工種ごとの内訳を詳しく提示してもらえます。複数の業者から見積もりを取る際は、総額だけでなく、内訳の項目・範囲がどこまで具体的に書かれているかもあわせて比較すると、金額の差が何によって生まれているかが把握しやすくなります。
まとめ

フルリフォームの内訳は、解体工事・木工事・内装工事・水回り設備工事・電気工事・外装工事・性能向上工事といった工事費の内訳と、設計料・現場管理費・仮住まい費・ローン諸費用・税金などの諸経費の内訳から構成されています。一戸建てかマンションか、新築や建て替えではなく中古住宅を活かす工事かによっても内訳の中身は変わります。総額の目安だけでなく、この内訳を理解しておくことで、見積書の比較や優先順位に応じた費用の調整がしやすくなり、理想の暮らしに近づけながら後悔しないフルリフォームにつながります。総額の目安はフルリフォームの費用相場、支払いのタイミングはフルリフォームの料金のページもあわせてご覧ください。既存の建物への愛着を活かしながら理想の空間に近づけられるのがフルリフォームの魅力で、こだわりの雰囲気づくりや業者選びに必要な知識として、内訳を理解しておくことをおすすめします。ご自身の建物の内訳がどうなりそうかは、図面や築年数が分かれば概算のご案内も可能です。埼玉県・東京都でフルリフォームをご検討中の方は、一級建築士事務所である匠プラスまでお気軽にご相談ください。
私たち、匠プラスについて
- 匠プラスは、1968年創立の株式会社市之瀬工務店が運営するフルリフォーム専門店です。
- 一級建築士事務所として、間取り変更・耐震・断熱まで住まい全体を見てご提案します。
- 自社大工と信頼できる協力業者が連携し、細部まで丁寧に仕上げます。
- 木造住宅耐震診断士が在籍しており、古い住宅の耐震面も含めて相談できます。
- 埼玉県・東京都内で幅広く対応可能です。